CKDの押さえておくべきポイント
過去の心臓リハビリテーション指導士試験問題集より
CKD(慢性腎臓病)について正しいのはどれか.
a.1回の採血・採尿検査で診断できる
b.心血管疾患のリスクとはならない
c.ステージ5は透析治療が必須である
d.糸球体濾過量50m:L/min/1.73 m2未満である
e.早期発見には尿中微量アルブミンの検査が重要である
正解はeです。
今回は慢性腎臓病(CKD)の定義について再確認して行きたいと思います。
CKDの診断
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)とは、腎臓の障害が慢性的に続いている状態のことをいいます。
現在、患者さんは国内で1,330万人(成人の8人に1人)いるとされ新たな国民病といわれています。また、CKDの発症は心疾患リスクを高めることもわかっています。
CKDの診断では以下のようないずれかの状態が最低でも3ヶ月以上持続していることが状態です。
①腎障害がある
- 蛋白尿や血尿がある
- 画像検査で腎障害がある
②腎機能低下がある
GFR(糸球体濾過 量)60 mL/分/1.73m2 未満の腎機能低下
CKDの定義としては,蛋白尿などの腎臓の障害,糸球体濾過量(GFR)60 mL/min/1.73 m2未満の腎機能低下が3ヵ月以上持続するものとされてます。
したがって慢性的な持続が必須条件になります。1回の検査だけでは疑いにはなるが、確定診断はできません。
これは、一時的な腎機能低下や蛋白尿は診断基準に合致しないためです。
CKDのステージ
腎機能が低下すると、eGFRの数値も下がります。健康な人のeGFRは100 mL/分/1.73m²前後で、60 mL/分/1.73m²未満の状態が3カ月以上続くと、CKDと診断されます。15 mL/分/1.73m²未満は末期腎不全の状態で、透析や腎移植を検討しなければいけません。
このようにCKDのステージは区別されています。
治療法
- 生活習慣の改善
- 食事療法
- 薬物療法
が主体になります。
CKDになると、腎機能の回復は見込めず、高度な腎機能低下では多くがESKD(末期腎不全)へと進行し透析療法、腎移植などが検討されます。
しかし、必ずしも透析が必須ではありませんが、腎機能自体は回復は見込めないため透析や腎移植などの治療はいずれ必要になるケースが多いと思います。
ですので、腎機能は悪くなれば回復が難しいため、いかにステージの進行を遅らせていくかが大切です。
生活習慣、食事療法、薬物療法をしっかり指導を行いstage2の軽度腎機能低下のうちからいかに進行させないかの啓発、指導を行なっていく必要があります。
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