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エルゴメーターの選択方法

心臓リハビリの対象患者さんその全患者さんに行う運動療法

有酸素運動ですね!!

普段有酸素運動は心リハを行っているとCPXからATを用いて処方すると思いますが、その際の有酸素運動の種類はどのように選択しているでしょうか?

自転車エルゴメーター

まず自転車エルゴメーターの種類は

・アップライト型

・リカベント型

の2種類に分けられます。

アップライト型(画像左)

特徴は、サドルをまたぐ動作が必要となるためバランスの悪い高齢者には不向きです。

また、座って下肢を下垂したまま漕ぐため下肢抹消に血流が増加し血圧が低下する可能性が高いです。

さらに元々長時間の運動では有酸素運動による血管拡張作用が原因で運動後の血圧が低下するリスクが有ることも理解していなければなりません。

そのため、血圧がもともと低い患者さんやリハビリ中に血圧が下がったことがある患者さんではアップライト型のエルゴメーターを使用する際には血圧を数分毎に図りながら行ったり、エルゴメーター終了後に突然ふらつきなど出るリスクを考えて注意するなどの対策が必要です。

また、血圧や脈拍などを見ることも重要ですが患者さんに時折話しかけトークテストを行いましょう。

・Borg13以上の負荷でないか?(続けて会話ができない範囲だとATを超えている可能性が高いです。また、会話のテンポや問いかけへの反応も血圧低下等の危険性を示唆する兆候です。)

・患者さんの顔色は?(顔色が悪くなったり、目の下の隈がひどくなったりする反応は血圧低下を疑います。歌舞伎のようなイメージです!笑)

以上の内容からリカベント型を選択したほうが良い場合は

・バランスが悪い

・高齢者

・血圧が低い、または低めにコントロールされている。

このような患者さんは最初はリカベント型から始めるのが良いと思います。

その後徐々にステップアップをしていくと良いと思います。

アップライト型とリカベント型での大きな違いは背もたれの有無にあります。背もたれの有無による体幹と下肢筋力を比較した報告ではリカベント型が同じ運動強度でも体幹と大腿直筋の活動量が優位に低かったとの報告がありました。

アップライト型は背もたれがないため姿勢を体幹筋群で保持しながらペダルを駆動するためいろいろな筋肉に刺激が入ります。

リカベント型でも、腰痛などがない方の場合は前方にあるハンドルを握って背もたれから背中を話して駆動してもらうことで運動効果は高くなりそうです。

有酸素運動でエルゴメーターを処方する時になんとなく選択をしている方は多いのではと思います。

普段お運動処方の際に少しだけ意識してみてください。

読んでくださりありがとうございました。

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